エクストルーダーの即応性の改善
Posted Jan 10, 2016 - 5:05 PM
エクストルーダーのドライブギアがフィラメントを送ったり引いたりしても、ノズルの先にまで圧力が伝わるのに若干のラグがありますよね。これを簡単に改善することができました。みなさんも糸引きを防止するのに描画の端でフィラメントを引き込んだり、描画の最後の数ミリをCoast(射出をせず惰性でノズルを動かす)、拭ったりと対策をしていると思いますが、これでフィラメントの引き込み2~3mm程度のみで他の設定がほぼ不要になるかと思います。
エクストルーダーの即応性が悪くなる理由はおそらく下記のような問題があり、
- テフロンチューブとフィラメントの間に隙間があり、フィラメントのたわんでしまうことで圧力が発生しない。クリアランス過大。
- テフロンチューブ自身が強度がなく、圧力がかかった時に膨張してしまう。剛性・強度の不足。
内径が1.75mmにより近く強度があり中の滑りが良いチューブが必要です。ちょうどロードバイク用のブレーキケーブルのケーシングがこれに相当します。内径がΦ1.8mm, テフロン・ジュラルミン・プラスチックの三層構造になっていて、大きさ・強度・潤滑がちょうどいい感じです。ワンタッチ継手をチューブ径Φ6mmに交換して使います。ブレーキケーシング自体はΦ5mm なので、チューブの端にはキャップを付けて使ってます(自転車屋でもおいてあるほか、おそらくケーシングに付属します)。これは被せただけでは取れてしまうので、接着剤でくっつけます。
クリアランスが結構ギリギリなので、太さにムラがある粗悪なフィラメントが使えない可能性があります。ご注意下さい。また、ホットエンド内のテフロンチューブが内径Φ2mmなので、一度使い始めたフィラメントを冷却した状態で戻そうとすると、その部分が太くなってて通りません。温めてから引っ張っるか、ワンタッチ継手を外して先端部分を折ってしまいましょう。
Posted Apr 19, 2017 - 11:51 PM
Quenta さん
ブレーキケーシングはDuraAceBC-9000の方がいいのですね。次作る時は試してみます。
FDM3Dプリンタ弄りはある領域以上に行くとロードバイクのパーツ選びみたいに費用対効果がどんどん薄くなっていくのが最近の悩みです^^;
さて、話は変わって先日Kickstarterでファンドに成功したStackerS2という3Dプリンタがあるのですが、こちらもボーデンチューブにライナー入りアウターケーブルが使われているみたいなのですが、フィーダー側のケーブルの固定方法が良くできていたので紹介しますね。
https://www.kickstarter.com/projects/783463718/stacker-s2-industrial-grade-3d-printer/posts/1841226
https://ksr-ugc.imgix.net/assets/016/035/911/06faf3f541076ea8299bc81811fff69a_original.jpg?w=639&fit=max&v=1490713143&auto=format&q=92&s=4a87f32063108544d19c6e7b6320f751
フィーダー一体型の金属プレートにサドルバンド(Ω字型の配管抑え)みたいなので固定されています。
この方法だと、チューブフィッティングを用いても、チューブフィッティングの逆爪(押さえ金)の強度にかかわらず、がっちり固定できてしまいます。
ご参考までに
Posted Apr 15, 2017 - 6:23 PM
たぬきちさん
いつの間に返信が…
ブログ拝読しました。色々と面白い記事がたくさんですね。アウターケーブルの外側の樹脂を剥いて接着というのは正解のようですね。
わたしもその後このボーデンが壊れては直してはを繰り返したのでちょっとまとめを。
まず、つかうケーブルの種類ですけど、まずは引張強度があることが重要で、これがないとまずあまり採用する意味がなくなってしまいます。そして同時によく曲がるほうが良いという矛盾した要件を満たす必要があります。これはブレーキケーブルも同じみたいで、グレードの高いものほど、この両者を高レベルに満たすようです。なので、基本的にグレードの高いものが、効果が高いです。で、Shimano 純正品と、Monotaroで買った安いものと、別のアリゲーターというブランドのものを試したのですが、一番パフォーマンスが良いのは、Shimano純正でした。同社からは下記の現在2種類のロード用ケーブルがよく見られて
- Shimano BC-9000
- Shimano BC-R680
グレードの関係で、BC-9000が一番いいみたいです。Shimano以外のケーブルは、あまり意味があるのか分からない感じの剛性でした…。
次に、終端部の処理についてです。当初はキャップを被せて接着して6mmとしていたのですが、BC9000は外側のポリマーがとても難接着(PPか何か、とにかくツルツルしてる)で、エポキシだろうがシリコーンだろうが、遅かれ早かれ剥がれてしまいます。なので、今は、終端の1cmくらいのポリマーの皮を剥いて、金属の部分を露出させて、終端から15mmくらいまでアロンアルファ プラスチック用を表面に塗って乾かして、それをΦ4mmの継ぎ手に入れて使ってます。理想的にはたぬきちさんのブログ記事よろしく もっとしっかり接着したほうが良いのかもしれません。とにかく表面を酸化させるタイプのプライマーを使わないとくっつかないようです。
Posted Feb 13, 2017 - 2:07 AM
はじめまして。
Genkei製品ユーザーではないですが、当記事を参考に自作機を改造しましたので、お礼を兼ねて書き込みします。
ブレーキケーシングの末端の処理ですが、当方はLOCTITEの406瞬間接着剤と770プライマーで継ぎ手処理しました。
ホットエンド側は特殊ボルト、フィーダー側は内径4mmのPTFEチューブを接着した締め付けチューブ継ぎ手を使った構成となっています。
詳細な製作記事は当方サイトを確認いただければ幸いです。
(以下外部サイトへのリンクです。ご注意願います)
http://ginger-soft.blog.so-net.ne.jp/2017-02-13
以上
Posted Feb 3, 2016 - 9:15 PM
はぎさん、Quentaさん
アドバイスありがとうございます。こんな感じにパリッと行ってしまいました。補強をかねて金属キャップの内側以外に外側にも盛り付けるようにしていたのですが、ヤスリで表面をかさかさにはしていなかったのがもしかしたら悪かったのかも知れません。硬化に関しては、22度ある部屋で10時間ぐらい乾燥させたので十分だったと思います。その結果がパリンとガラスのように割れた結果かと。ケーシングはシマノのモノを購入しています。皆さんの反応からすると、シマノのケーシングは少し堅いのかなと思います。長めに切っていますが、横にはみ出すことは全くなくて、背面はまっすぐピンと立っていて、凜々しい感じです。もっと安いケーシングを買うべきだったと後悔しています。今、内径5mm、外形6mmというテフロンチューブがあったので、それが届くのを待っているところです。ケーシング全体をそのチューブの中に入れて継ぎ手に固定しようと策略しています。
皆さんのアドバイスは次の?!Lepton購入時に参考にしたいと思います。ありがとうございます!!
Posted Feb 3, 2016 - 7:43 PM
azusa9さん
私もQuentaさんのこのカスタム化をLeptonに行いました。(Quentaさんありがとうございます!)
私の場合は、金属キャップとケーシングの接着に、Mrジャスト ワンプッシュ という瞬間接着剤を使いました。
金属キャップ側に接着剤を流し込んでからケーシングを差し込んで接着し、
そのまま直ぐに、継手に装着して問題なく使えました。
PLAを何度かプリントしましたが抜けは発生していないです。
あと、ケーシングの長さはPTFEチューブと同じ長さで使用しています。
長くしてしまうと、ホットエンドがLeptonの背面に移動してケーシングが曲がった際に、
継手部分に余計な力が加わってしまう可能性があるかも。
Posted Feb 3, 2016 - 1:33 AM
接着というのは難儀なものですね。専門のコンサルタントがいるくらいですし。
パリッ という感じだと、ケーブルハウジングの外側の樹脂が硬すぎるのかもしれないですね。スーパーエンプラとかは難接着性のものがありますし。購入されたケーブルハウジングはShimano製ですか?私が使ったものは外側の樹脂が爪を立てると跡が残るくらいの質感で、自転車がたくさんあるので今さっき他のと比べたのですが、比較的曲がる方みたいです。PTFEチューブと同じ長さでokですし。ボーデンの中のたわみは管がどれだけ曲がりくねってホットエンドに至るかに比例するので、できれば設計が許す限り短いことが望ましいですね。かといって剛性が低いと意味がなくなるわけですが。
再掲ですがケーブルハウジングは同じものが↓から手に入ります。
http://www.wiggle.com/lifeline-essential-brake-cable-set-mtbhybrid/?sku=536067596
エポキシ樹脂自体は、かなり強度のある部類ですし、比較的何にでもくっつくはずです。接着強度が出ない他の要因と対策は…
- 表面がツルツルすぎて実効被着面積が足りない → 剥離した面(キャップ側かケーブル側)を確認して、やすりをかけてザラザラにする
- 2液混合の量の測定ミス → ディスポシリンジか何かで計量して確実に配合量を守りましょう、正確性が必要です
- 2液が混ざっていなかった → 白く濁るくらいまでよく混ぜましょう
- 温度・経過時間不順分で硬化不十分 → 熱硬化性樹脂なので室温が低いと表示時間より硬化に時間がかかります。冬で屋外の日陰では24時間経っても完全硬化しない場合もあるかと。逆にドライヤーで温めれば数分で強制硬化も可能です。※やり過ぎ注意。
- 硬化するまでの間に、流れてた → エポキシは表面張力が低いので粘稠な接着剤も意外と固まるまでに流れてたりします。ドライヤーで強制硬化しちゃいましょう。
Posted Feb 2, 2016 - 9:47 PM
エポキシ接着剤で固めてLeptonに装着してみたのですが、モータ側の所がむなしい音共にぱりっと取れてしまいました。アルコールで脱脂はしっかりやってから接着したのですが・・むなしく残念な結果に。私の印刷速度が少し速いので、圧力が大きく掛かっているのも失敗の原因かなと思いますが。
Leptonで成功している方が居ましたらどんな接着でいけたか、教えて頂けたら嬉しいです。
Posted Feb 1, 2016 - 9:01 PM
早速の情報ありがとうございます!!
明日エポキシ系の接着剤を買ってみたいと思います。
ちなみに、Leptonの方に少しアドバイスをすると標準の白いチューブと同じ長さで作るとケーシングが堅いため曲がらないので短く感じます。+10cm程度長めに切ることをおすすめしておきます。
Posted Jan 31, 2016 - 11:41 PM
azusa9さん
2液性エポキシ接着剤の セメダイン1500 というのを持ちあわせていたので使いました。被着材料は金属(キャップ側)と樹脂です。1kgくらいこれで吐出しましたが、目下安定しています。接着前の脱脂は忘れずにどうぞ。
意外に強い力が掛かる部分なので接着は重要みたいですね。私も最初はテープを巻いて使おうとしたんですけど5分くらいで剥がれてしまいました。
Posted Jan 31, 2016 - 8:39 PM
素晴らしいハックに感化されて、私もブレーキケーシングを買ったのですが、終端の処理が上手くいかず、接着がすぐにはずれてしまいました。どのような接着剤を使われたか参考までに教えて欲しいのですが。
私が使ってダメだったのは、コンビニに売っていた、小西ボンドのウルトラ多用途SUというのです。丸1日静止時間をおいたのですが取れてしまいました。
情報よろしくお願いします。
Posted Jan 19, 2016 - 10:07 AM
Quentaさん
なるほど、M6だったのですね。
Lepton標準のエクストルーダーもM6で適合なのを確認できました!
共有ありがとうございました!
Posted Jan 18, 2016 - 10:11 PM
最初はホット、コールドエンド側共に ネジ切り部 M6、接合する管 Φ4mm がついてました。これを両方とも ねじ切りM6, 管Φ6mmに変えました。フィラメントの太さは同じです多分同じだと思うんですけどね。一応今使ってるのを確かめて頂いた方が確実ですね。
私が買ったやつよりこっちの方が細身で干渉の恐れは少ないかもしれないです。
Posted Jan 18, 2016 - 2:29 PM
Quentaさん
共有ありがとうございます^^
私はLeptonユーザーなのですが、共有頂いたワンタッチ綱手は
Trino1と同じ仕様(サイズ)で適合するのかどうかご存知でしょうか?
両機が同時に手元にないため確認する術がなく。。
何卒宜しくお願いします。
Posted Jan 15, 2016 - 9:40 PM
なんのこっちゃ? という人もいらっしゃると思うので画像付き解説
ケーブルケーシングは正確には↓のリンクで買ったものでした。MTB・フラットバーロード用とありますがワイヤーの先っちょの部分が違うだけでケーシングは同じ太さ(外径Φ5mm)でしょうね。万全を期すなら同じものを買うべきかも知れないですが。あるいはShimano純正のほうが性能はいいかもしれないです。
http://www.wiggle.com/lifeline-essential-brake-cable-set-mtbhybrid/?sku=5360675961
普通はこうやってブレーキのケーブルを覆うのに使うケーシング。これをテフロンチューブの代わりに使います
エフェクタ側。ワンタッチ継手を交換する。(これはTrino1。ヒートシンクを少し削って装着。形状的に2ならそのまま装着可)
エクストルーダ側。ハウジングとギアを設計しなおしたんでちょっと違いますがこんな雰囲気で装着します。継手に入ってて見えませんがケーブルは両端とも外径を増やすためキャップが接着してあります。
改造は以上で、次にテストです。↓のような意味もなく2つ離れた島をsweepしたモデルをプリントします
- Retraction: 2.6mm
- Extra restart distance: ±0mm
- Retraction Speed: 40mm/sec
- Coast at end: 0.2mm
- Wipe Nozzle: No
- Vertical lift: No
糸引き対策は上記のように割と強気な設定でもリトラクションが的確なため↓のように全く糸引きを生じません(写真きたなくてサーセン)。リトラクションの滞留時間が短いので、下の層を溶かしてボテったり、長いCoast距離によって外殻が最後に途切れたりしません。coast 0mmでもいけるかと思いましたがホットエンド先端には引き込みができない僅かな残存フィラメントがあるようで0.2mm程度は必要なようです。リトラクションをどこまで小さくできるかはまだ検証していません。
Posted Jan 13, 2016 - 1:10 AM
Quenta
おおーーー 目から鱗ですね!
実は気づいたのですが、 GenkeiさんのWikiで公開されているものが新しくなっていましたがよく見るとRetraction距離が3mmになっていました!
劇的改善です!
何よりロードバイク用のブレーキケーブルがそうなんですね!!! すごいです!!!! ちょっと試してみます!!!
そうなんですよねー 素材によって2mm越してるのがたまにあるんですよ。特にすごい新素材とかまだ試作段階がいなめなくて公差激しいんですよね。
でもPLAとか普通の素材や公差精度のよい素材だったら問題なくいけそうですね!